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底辺絵描きがいろいろ描き散らしたり書き散らしたりするブログ。 読書や音楽やゲームも趣味。PSO2プレイヤーでもあります。 たまにナマモノの絵も描きます。陰陽座とかGALNERYUSとかV 系とか。
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今度映画化するやつですよね。
湊かなえさんの本は過去に『告白』を読んだことがあるだけなので、比較して言うことはできないかな。

不思議な小説、というよりも資料を読んでいるみたいでした。
美人OL殺人事件の容疑者に同僚、城野美姫の名前が挙がる。
城野という人物について自称ライターの赤星は同僚や友人、家族にまでインタビューを行い、ネットで発信、週刊誌にも記事を書く。

前半の文章パートは証言が主、赤星のインタビューに対した返答が一人称で書かれ、後半は赤星のSNS画面、週刊誌の記事など、世間に向かって発信された内容で構成されています。
小説と言うよりも、事件の資料を読んでいるみたいです。
読み進めることで、城野という人のこと、事件の真相が見えてくる気がするのですが、実はまったく見えてこない。

「メディアは現実を創造する」正確には忘れましたが、そんな言葉を聞いたことがあります。
この小説でも、城野という人から直接話を聞いた訳ではないのに、証言、SNS、雑誌記事によって好き勝手書かれることで、城野について全てを知ったような錯覚を起こしてしまいます。
現実でも、そうかもしれませんよね。私もTwitterをやっていますし、そこで交流をさせていただいている方もいます。
Twitter上と実際に会ってみるのとでは、印象が違うと感じることもありますし、実はTwitter上の関係だけでは、その人のことを何も分かっていないのに、全て分かっているような気分になる。
本名すら知らない人も多いです。(必ずしも全てを知る必要はないとは思っています)
ただ、そういう状況は、虚構を現実として提供することを簡単にしているんだろうな、と感じます。(そういう付き合いが嫌になったわけでもなく、礼儀を忘れずいい距離感でおつきあいしたいと思っているという意味でとっていただければ幸いです)
確かにメディアは現実を作るかもしれません。
けれど、本当に作るだけでしょうか。何かを作るときに壊されてしまうものはないのでしょうか?
そして、壊れてしまったものはもとに戻せるのでしょうか?
悪意のない言葉だったとしても、憶測が憶測を呼べば、それは大きな悪意へと変貌するかもしれません。
そんなテーマは伊坂幸太郎の『魔王』『ゴールデンスランバー』『モダンタイムス』にも通ずるかも。
まぁ、そんな話をネット上のブログというメディアで発信していることが既に皮肉ですw
とりあえず、現実でもネットでも、口は災いの元だということに代わりはないでしょうw

そういえば、これ、映画化の際には殺害される美人OL役を菜々緒さんがやりますよね。
菜々緒さんといえば「主に泣いてます」で美人過ぎて一カ所で暮らせないぐらい恨まれる人の役をやっていた気がするw
確かに美人だもんねぇ…。
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ついに読みました!死神の千葉さんカムバックの『死神の浮力』!
前作『死神の精度』は何年も前に友人に借りて読んだきり、実に久々の再会です。

今回は長編作品。
娘を殺された夫婦VSサイコパス。時々死神。(千葉さん)
この夫婦とサイコパスの対比がゾッとします。
娘を殺された山野辺夫妻は自らの手で犯人のサイコパス、本城に復讐をしようとするのですが、根っからのいい人なんでしょう、なぜここで…というような場所でトラップに引っかかる。ただし、ガッツはあるので何度でも立ち向かう。
対する本城は25人に1人はいると言われるサイコパス。頭も切れて、残酷で、自信家で、何度打ちのめしても立ち向かう山野辺夫妻に次々とトラップを仕掛けてくる。
そして、死神の千葉さんはというと、彼は死ぬ対象の人間、つまり山野辺氏の調査が目的なだけであって、敵討ち自体は仕事ではない。夫妻の役に立つこともあれば、邪魔をすることもある。ただ、自分の仕事をするだけ。

参勤交代はつい最近のことだと思っており、好きなものはミュージック、嫌いなものは渋滞。とんでもない雨男。毒を飲んでも、刺されても死なないチート。
人間ではないため、人間とはギャップがどうしてもでてしまう、千葉さんのおかしな発言は今作でも必見でした。
被害者が子供という、嫌な話なので、拒否反応を起こす方も多そうな内容なのですが、千葉さんという浮き世離れした存在が、その残酷さを少しだけ緩和してくれていると思います。
ただし、山野辺夫妻に感情移入して読んでいる場合は中盤、千葉さんにイラッとするかもですが、まぁ、人間の常識が通じない相手ですから、ぐっとこらえましょう。

人間なのに人間の常識が通じないのが犯人の本城ですね。
人殺しをいとわず、というか、単に遊び感覚でやっているだけなんでしょう。
良心がない分、手加減は全くしてくれません。
死神がチートである以上、普通の人間では相手が務まらないので、とても手強い相手です。
夫妻共々、読者の我々までも絶望の淵までたたき落としてくれます。えぇ、徹底的に。
悪役は徹底的に悪役である伊坂作品らしいといえばらしい。
しかし、彼もサイコパスではあるけれど、所詮は人間です。
死神の介入にどこまで耐えられるか、見物です。

伊坂作品を読んで感じるのは親の愛。
親って言うのは、ここまで子供を愛せるものなのか、という場面が多く出てきて、恥ずかしながら号泣しました。マジで電車とかで読んでなくて助かった。←
だから、生きている間に親孝行はしないといけないですなぁ。

最後に、自転車は凄い。ママチャリ最強。


『びっくり館の殺人』の感想を書いてないけど先にこっちでいいか…。
館シリーズ第9作目『奇面館の殺人』です。
こちらはまだ文庫化されていないので買うときは注意ですよ。

『暗黒館の殺人』『びっくり館の殺人』がかなりホラーテイストが濃かったのですが、こちらは打って変わってザ・本格推理!でした。
と、いうわけで、自分でも推理をしながら読んでみましょうか、と、色々考えながら読むのですが、説を立てるたびに覆され覆されorz
いいタイミングで疑問の提示やヒントの提示、仮説の否定がされるので、まるで自分も現場で推理をしているような臨場感がありました。
まぁ、私は島田さんと違ってポンコツ探偵な読者でしたけどねw
久々に島田さん(いい加減、鹿谷さんとお呼びした方がいいのか?)中心で話が進んでいったので、島田さん好きな私は歓喜でした。

さっき、画像を探すためにAmazonのレビューを見ていたんですが、割と賛否両論みたいですね。
暗黒館のようなドラマチックさを求める人には、少々地味に感じるかもしれませんね。好みの問題、ぐらいの捉え方かなぁ。
個人的に、ドラマチックな話は大好きなのですが、こういう頭を使って読める話も好きなので、特に不満はありませんでしたが…。
あ、やや偶然性が強いかな、と思ったけどそれぐらい。
しかし、本格推理が好きな方には本気で面白いと思いますよ!

最後に奇面館から、執事の鬼丸さんを描いたラクガキを投下しておきますw
個人的に館シリーズ初描きですw
無表情で堅物で仕事はきっちりやるけど囲碁が好きで負けず嫌い故に夜更かしして翌日あくび連発な鬼丸さん萌えです。
ちなみに、読みながら黒執事のコスしたGACKTさんで再生されたw
ああああ、本当は島田さんとか中也君とか描きたいんだけどイメージがまとまらねぇ。
島田潔を描こうとすると作家の島田荘司先生の模写になるし(作中の特徴を捉えていくと島田荘司先生にかなり似ている。初期の段階では本当に軽い気持ちで作ったんだろうなぁw)中也君を描こうとすると詩人の中原中也になるし(中原中也に似てるから中也君って呼ばれている設定だしねw)なんかもう上手く描けないorz

 

さて、館シリーズもあとは最終巻(最終館)の発売を待つのみになってしまいました…。
楽しみだけど寂しいので、綾辻先生にはゆっくり書いてもらってゆっくり待ちたいですね。
個人的に最終巻の予想を立てていて(暗黒館の話を書いたときに追記でも書いてます)それが当たっているかも気になるところ…。

しかし、館といえば「蝋人形の館」が思い浮かんでしまうのは最近の生活のせいだろうかw
 

とうとう読み切ったぜ!
全4巻というボリュームに圧倒されて読むのを躊躇っていた暗黒館でしたが、腹を括って読みましたよ!
…昔は北方謙三の水滸伝全20巻とか何の躊躇いもなく読んだのに最近たるんでるなぁ。
しかし、ボリュームはあるものの、一度ページを捲れば暗黒館の世界に入り込み、読み終わるまで抜けられないってぐらい面白かったです。
ちなみに、いつもはブログの容量節約の為にAmazonの画像を使っているのですが、全4巻も画像を貼るのがダルかったので、私撮影の汚い写真です。すみませんねぇ。←

読んだ率直な感想は、長い長い旅をしたような気分、になりました。
いつの間にか暗黒館の妖しげな世界に迷い込み「私」こと中也君(これも本名じゃないw)と一緒に館の中を手探りで進んでいったような気分になりました。
だから、読み終わって本を閉じた瞬間に思い浮かんだ言葉は「ただいま」。
無事に現実に、自分のいるしかるべき場所に帰って来れたと思いました。

全4巻もあるので、中盤あたりの謎が謎を呼びまくる展開ではやきもきしたりもしたんですが、それがかえってゆっくりと確実に暗黒館の闇の中に沈められていくような感覚でした。
だから、これから読む方は焦らずにゆっくりとページを捲ってみてくださいね。

そして相変わらずトリックに気がつかないw全く成長していない自分orz
綾辻先生の本って、読者にある程度まで自力で気がつけるような書き方をしてくれていると思うんですけど、ある程度以上は分からない書き方をしているというか…。
要約すると綾辻先生パネェ。(雑

『暗黒館の殺人』は館シリーズの7作目。ここまで来て、自分自身も島田さんや江南君と同じく、中村清司の館に魅入られていることを認めざるを得なくなりました。
館シリーズは全10巻(全10館の方がいいかな?)ということで、現在9館分が刊行されています。
残りの館達は我々をどこへ連れて行ってくれるのか…。
今から楽しみです。

どうでもいいけど、中也君ってキレると「お前の好きな花はなんだ!?」って言い出しそうだよね。
 ここから先、追記でネタバレを書くので読みたくない方はバックしてください。
以前なぜかスマホ版で追記が折りたたみ表示されなかったので、対策のためにかなり下げてかいているのでご了承ください。


まさか「首折り男」が一冊の単行本になるとは!

この前出たばかりの伊坂さんの連作短編集です。
殺し屋「首折り男」と空き巣で探偵の「黒澤」が主人公の7つの短編を様々なジャンル、文体で楽しめます。

「首折り男」は伊坂幸太郎原作、大須賀めぐみ作画の漫画『Waltz』で「大藪さん」として登場した人物なので、そちらのファンの方も読んでみると面白いかも。
連載当時、「首折り男」の話は『ストーリーセラー』というアンソロジー(雑誌か?)でしか読めなかったので「首折り男ってなんだ!?」な人も多いと思いますし。

また「黒澤」は初期からの伊坂ファンからは人気の高いキャラクターですね。
『ラッシュライフ』『重力ピエロ』『フィッシュストーリー』に登場しているので、そちらも読むと黒澤さんを取り巻く環境とかがよく分かると思います。
かといって、未読でもこの本を読むのに問題はないです。
泥棒なんだけど、どこかかっこいい黒澤さんは伊坂ファンの中でも人気が高く、個人的にもまた黒澤さん主役の小説が読めてとても嬉しかったです。
まぁ、購入に踏み切ったのは黒澤さんが出るからだったんだよね。
首折り男が主役の話(この言い方は語弊があるかも)「首折り男の周辺」と「合コンの話」は既に昔読んでいたのでね。
とはいえ、伊坂さんは単行本や文庫に収録するときに加筆修正を多く行う方なので楽しみではありました。

ひとつひとつ短編を見ていくと、一番好きなのは「僕の舟」。
おばあさんの若い頃の恋のお話で、伊坂さんにしては珍しい恋愛もの。
珍しいジャンルなのに伊坂さんらしいお話で、歳を取るのは素敵だな、と思える話でした。
これまた伊坂さんにしては珍しいジャンルの怪談ものである「相談役の話」やら、遊び心満点の「月曜日から逃げろ」(タイトルがいいよね)など、色々なテイストが堪能できて贅沢でした。
昔読んだ「首折り男の周辺」はやっぱり流石だ、という感じだし、当時は変わった文体に戸惑ってピンとこなかった「合コンの話」も今読むと結構好きになったりと、個人的には新たな発見もありました。

そして今作は連作短編なんですよね。
ついつい、短編ごとのつながりを探していって、色々考えてしまうw
この台詞はあの場面につながるんだーとか探しているうちにじっくりと文章を堪能できました。
まだまだ見落としているつながりもありそうなので、近々再読しそうですw
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セイロン
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自己紹介:
底辺絵描きがだらだらイラストを描くブログ。
絵以外にも読書とか音楽とかゲームが大好き。ライブも行きます。
陰陽座、GALNERYUS、摩天楼オペラのライブによく出没。
投下するイラストはオリジナル、二次元、三次元など様々。

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