底辺絵描きがいろいろ描き散らしたり書き散らしたりするブログ。
読書や音楽やゲームも趣味。PSO2プレイヤーでもあります。
たまにナマモノの絵も描きます。陰陽座とかGALNERYUSとかV
系とか。
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まさか「首折り男」が一冊の単行本になるとは!
この前出たばかりの伊坂さんの連作短編集です。
殺し屋「首折り男」と空き巣で探偵の「黒澤」が主人公の7つの短編を様々なジャンル、文体で楽しめます。
「首折り男」は伊坂幸太郎原作、大須賀めぐみ作画の漫画『Waltz』で「大藪さん」として登場した人物なので、そちらのファンの方も読んでみると面白いかも。
連載当時、「首折り男」の話は『ストーリーセラー』というアンソロジー(雑誌か?)でしか読めなかったので「首折り男ってなんだ!?」な人も多いと思いますし。
また「黒澤」は初期からの伊坂ファンからは人気の高いキャラクターですね。
『ラッシュライフ』『重力ピエロ』『フィッシュストーリー』に登場しているので、そちらも読むと黒澤さんを取り巻く環境とかがよく分かると思います。
かといって、未読でもこの本を読むのに問題はないです。
泥棒なんだけど、どこかかっこいい黒澤さんは伊坂ファンの中でも人気が高く、個人的にもまた黒澤さん主役の小説が読めてとても嬉しかったです。
まぁ、購入に踏み切ったのは黒澤さんが出るからだったんだよね。
首折り男が主役の話(この言い方は語弊があるかも)「首折り男の周辺」と「合コンの話」は既に昔読んでいたのでね。
とはいえ、伊坂さんは単行本や文庫に収録するときに加筆修正を多く行う方なので楽しみではありました。
ひとつひとつ短編を見ていくと、一番好きなのは「僕の舟」。
おばあさんの若い頃の恋のお話で、伊坂さんにしては珍しい恋愛もの。
珍しいジャンルなのに伊坂さんらしいお話で、歳を取るのは素敵だな、と思える話でした。
これまた伊坂さんにしては珍しいジャンルの怪談ものである「相談役の話」やら、遊び心満点の「月曜日から逃げろ」(タイトルがいいよね)など、色々なテイストが堪能できて贅沢でした。
昔読んだ「首折り男の周辺」はやっぱり流石だ、という感じだし、当時は変わった文体に戸惑ってピンとこなかった「合コンの話」も今読むと結構好きになったりと、個人的には新たな発見もありました。
そして今作は連作短編なんですよね。
ついつい、短編ごとのつながりを探していって、色々考えてしまうw
この台詞はあの場面につながるんだーとか探しているうちにじっくりと文章を堪能できました。
まだまだ見落としているつながりもありそうなので、近々再読しそうですw
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