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こんばんは。
かつて読んだ本の内容は、新しい本を読むことでどんどん忘れていくタイプの人間です。
流石に衝撃の結末とかなら覚えていられるんですけどね…。
細かいことはどんどん忘れていくし、反対に内容は完璧に覚えているのにタイトルと作者だけ綺麗に忘れていることも…。
それを防止するためにもブログに書くことは役立ちそうです。
さて、今回はコレです。やっぱりホラーでw
小林泰三の『玩具修理者』です。
前回紹介した『夜市』より怖くてグロイですね。
幼い弟を過って死なせた少女が、親にばれないようにどうにかしようとする。
その「どうにか」というのは、なんでも直してくれる玩具修理者こと「ようぐそうとほうとふ」に弟を直してもらうこと…。
親にばれるとヤバイから弟を直してもらう、という発想が無邪気で残酷な子供の発想っぽくて不気味です。
そして、解体され、他の玩具の部品を使われて「修理されて」いく弟のことのを考えていくと…うわあああああああああああ!!!!!!!!
無駄に太字にするんじゃねえぇw
修理されて生き返った(?)弟は一体何なんでしょうね。
色んな意味で最悪の気分になる話です。褒めています。
もうひとつ『酔歩する男』という話が入っているのですが、こちらは別の意味で気持ち悪くなりました。
ちょっと時間酔いをするような書き方がされています。
内容は形容し難いんですが、その時間酔いみたいな感覚が主人公の状況と非常にリンクしていて、同じ立場に立たされるているような恐怖があります。
ちなみに、小ネタなんですがこの話に「菟原手児奈」という人物が出てきて、おそらく万葉集の山部赤人の「真間手児奈」の歌と高橋虫麻呂の「菟原処女の墓を見て作る歌」が元ネタだと思います。
他の登場人物の名前を見るに「菟原処女の墓を見て作る歌」の方を強く意識してるんだと思いますが、手児奈手児奈とあまりに言うものでちょっと違和感が…。
どちらも大筋は似たような内容の歌なんですけどね。そのためにドッキングされてるんだとは思います。気になったらググってみてください。
なんでお前こんなに詳しいんだよと言われそうですが、一時期この歌のことを研究していた時期がありました、というか、この小説を読んだ影響で研究をしていました。
卒論をこれで書こうとしたけど紆余曲折あってやめたりして、軽く人生を振り回してくれた小説ですw
それ抜きにしてもこの二つの話は非常に何とも言えない気持ち悪い恐怖を与えてくれると思いますので、勇気がある方は是非どうぞ。