底辺絵描きがいろいろ描き散らしたり書き散らしたりするブログ。
読書や音楽やゲームも趣味。PSO2プレイヤーでもあります。
たまにナマモノの絵も描きます。陰陽座とかGALNERYUSとかV
系とか。
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久々に吸血鬼ハンターDシリーズを読みました。
最近、何かとホラーやミステリにばかり手を出していて、Dシリーズを読み進めるのがおろそかになっていました。
このシリーズは割と水戸黄門的というか、話の型が決まっているので、そうそう連続して読まなくてもいいかなーなんて思っての長期放置w
しかし、ミステリやホラーも読みすぎてちょっと食傷気味だったので、久々に全く違う世界を読みたくなり、再びDの作品を開くことになったのです。
この聖魔遍歴、流石というか、世界観がもうほんとに大好きです。
今回、Dが旅するのは侵入者を選別、排除する意思を持つ砂漠。
そう、砂漠が生きているのです。
個人的に土地や建物が意志を持っているかのように動く話は大好きです。
綾辻行人先生の館シリーズが好きな理由のひとつもこれだったりします。
人間には計り知れない壮大なスケールがたまらない。
劇場版ヴァンパイアハンターDにもDが意志を持つ砂漠をサイボーグ馬で駆け抜けるシーンがありましたが、この聖魔遍歴が意識されているのでしょうか。
今回、Dは貴族にさらわれていた隠されっ子タエと、タエを故郷に連れ戻すために砂漠を渡る人探しバイパー婆さん、Dを付け狙うハンター、ビューロー兄弟の夢を操る眠り男の兄ビンゴ、竪琴を武器にする弟クレイ、5年もの間、砂漠にとらわれていた農民のランスとともにこの危険な砂漠を渡っていきます。
この濃すぎるパーティにクールに付き合いながらも実は面倒見がいいDさんがマジイケメンです。
っていうか、この小説は男も女もババアもダンピールもハンターも農民もみんなイケメンだったね。
生き様がそれぞれかっこいいんだよ。
特に一番かっこよかったのは農民のランスですかね。
タエのためにハンターのクレイと殴り合ったり、タエがダンピールを孕んでいると知っても、タエと子供と暮らしたいと言ったり。
なかなかできることではないよ。だから本当にタエと一緒に幸せになってほしかった。
そしてタエもタエで強かったね。彼女とその子供は、世間からどんなに後ろ指指されても強く生きられると思う。
まぁ、ダンピールを孕んだから迫害される、というとファンタジーの世界だけど、これをレイプとかの言葉に置き換えてみると現代にも通ずる問題なのかもしれない。
被害者が迫害されるのは間違っているよ。
そしてバイパー婆さん。
結婚してくれ。
本当にこの婆さんかっこいいです。
辺境に生きるものとしての強さと優しさ、プロ意識、Dはもちろん持っているものだけど、それをきちんと言葉にして読者に伝えてくれる。そして、Dが決して語らない、明日だの未来だのの大切さを語ってくれる。
終始バイパー婆さんのその生き様に泣かされた話だと言ってもいい。
ビューロー兄弟も好敵手でした。
個人的にはビューロー兄弟の兄のビンゴの能力というか特性に興味津々でした。
まぁ、兄貴、物語の中盤は行方不明になっちゃってるんだけどwww
ビューロー兄弟の兄のビンゴは常に眠っていて、眠りながら会話をしたり闘ったりする、なんとも個人的には羨ましい能力を持っています。
闘うときは夢の水泡を作って相手に浴びせかけ、それに当たった相手は跡形もなく消えるというチートな技を使います。
まぁ、このシリーズはDがチート設定だから仕方ない。チート同士でやっと互角。
夢の中で生きているため、現実世界では食事もとらず、死にもしない。
不死身で最強ではあるけれど、どこか欠損しているように見えて、哀愁漂い、なんだか魅力的でした。
彼も意志を持つ砂漠のように終わりを求めていたのだろう。だから、彼の最後が目覚めて現実に戻ったところを斬られて、現実の世界での死を迎えられたところが、なんだかほっとしました。
ちなみに私は『妖殺行』のグローヴといい、チート能力の代わりに現実世界で何かが欠損してしまっている人物が大好きなようです。←
そしてこんな魅力的な人物たちをひとつの話の中で死なせてしまうのはもったいない…と思ってしまう。
うーん、できれば他の巻でも会いたかったな。
なんというか、物語全体に胸糞悪い嫌な奴がほとんど出てこなかったことで、非常に清々しい気持ちでこの冒険譚を楽しめました。
これはジャンル的にSFなのかファンタジーなのか…すべてを融合した菊池ワールドを大変おいしくいただきました!
そして今気づいた、前作の『夢なりしD』を読むの忘れていたwww\(^o^)/←
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